■ ブレーキ関係シール&リアキャリパー交換 ■
事の発端は、いつもの通りにリアブレーキをメンテナンスしている時に起こりました。
○の箇所のボルトを締めたら、ボルトは噛んでいるもの締まりきらない。
「なんで?」と思いつつ、もう一度外してみると・・・
キャリパーのねじ山(スレッド)が殆どなくなっている状態でした。
ピックを使って突付いてみると、ポロポロ落ちてしまいました・・・
こんなんでいいんでしょうか!?
これ以上はどうしようもないので、リコイルで修復しようと思いましたがキャリパー自体を中古で買ったほうが安いですね。
で、中古で購入してもキャリパーのシールは当然交換になります。
その為にはブレーキフルード抜くので、ついでにマスターシリンダの内部も交換することになり、
じゃあ、リアをするならフロントもと言うことで、ブレーキ関係全てのオイルシールを交換することになりました。
(せっかくですからね)
まずはフロントからです。
まず最初にブレーキフルードを全て抜きましょう。
フルードが抜けきったらブレーキホースを外しますが、外す前に小さなビニール袋を用意しましょう。
いくらフルードを抜いたからといって完全に抜けたわけではないですし、気づかぬうちにフルードまみれになるので、
ホースを外したら、ホースの先端にビニールをかぶせてテープで巻いておきましょう。
もしこぼれてしまったら水をかけて下さい。
フルードは、かなりの親水性なので水分を含むと白く濁り効力を失います。
塗装面に付着すると塗料が剥がれますのでご注意を。
ホースが外れたらキャリパーを左右に分割させます。
本来なら分解禁止の場所でもあるのですが、パーツリスト上に間のシールが存在するのとマニュアルにも方法が載ってますね。
ただ外すには普通のボルトではなく星型のボルトヘッドがあります。
これが俗に言う「E型トルクス」といわれるタイプで、専用のソケットを使い外します。
こちらがそのソケットです。
サイズは「E12」で、今回KTC製を購入しました。
(値段は860円です。)
このソケットを使いキャリパーを分割。
行程が少し飛びましたが、外すのと同時にピストンも取りました。
普通ピストンを外すには、専用の工具やコンプレッサーのエアを使うのですが、
私の場合、こまめにメンテナンスをしているので手で引き抜けました。
ピストンシールを外し、シールの収まる窪みをしっかり洗浄します。
爪楊枝や綿棒が便利ですよ。
洗浄が終えたらシールとピストンの組付けを行います。
シールについては向きはありません。
外したシールを見ると向きが決まっているように見えますが、キャリパー内部がそのような形になっているので、長期間シールを使っていると変形するんです。
なので、特に向きは気にしなくて大丈夫です。
(シールを再使用するのは論外です。)
そしてシールもピストンも組み付ける際はブレーキフルードを塗布しましょう。
人によってはシリコングリスを使いますが、ブレーキフルードの中にグリスが残るので私は嫌いです。
化学変化によって内部で固形化するかもしれないですし・・・
あと、ピストンも磨いたりしますが、私は磨くのは嫌いです。
こちらも徹底的な洗浄をするのでとどめてます。
で、装着。
左右の組み合わせをするのは車体に付けてからです。
キャリパーが終わったので、次はマスターシリンダです。
ダストブーツを剥がすと凄い錆び・・・
よくこの状態で今まで走行できてましたね、オソロシヤ〜。
内部は特に段付きもなく正常。
タンクに繋がる箇所のOリングも替えておきます。
組み付ける際はキャリパーと同様、シール類をしっかりフルードで濡らしてからつけましょう。
付けないと噛みこんでしまう恐れがあります。
あっというまですが、組み付け終了。
綺麗に組みなおすと気分が良いですね!!
次はリア側です。
こちらが交換することになったキャリパー。
同じMC21用で、値段は3000円で買えました。
しかし、物が中古なだけに古いほうと新しいほうで良い部品を見繕って組み上げます。
リア側は手で引き抜けなかったので、バイク用の空気入れを使い外しました。
こちらは新しいキャリパーですが、値段相応であんまり綺麗ではないです。
そしてさっさと完成。
ピストンも1つなので作業が楽です。
続いてマスターシリンダですが、これが開けてビックリ!!
中から変色したフルードと固形物が・・・
こまめにフルードを替えても完全に入れ替わるわけではないんですね。
内部は特に問題はありませんでした。
そしてこちらも、さっさと完成。
方法jはフロントと同じなので、こちらは省略。
あとは車体に取り付けてブレーキフルードを満たし、エア抜きを行います。
ここでまずキャリパー同士を組み付けますが、その際E型トルクスのボルトにはネジロック(ロックタイト)を塗布しましょう。
その後ホースを組み付け、マスターシリンダも取り付けます。
ここまできたらブレーキフルードを入れ、地道にエア抜きを行います。
ですが、今回のように内部が完全に空の状態では、完全にエアを抜くには時間が掛かりますが、命を預ける箇所なのでしっかり行いましょう。
リアも同様にエア抜き。
こちらはフロントよりはエアが抜けやすいです。
ここで、一応アドバイス的なものですが、エアが抜けたと思っても時間が経つとエアが噛んでしまうことがあるので、
各部分をドライバーの柄などでコンコン叩き、エアをしっかり逃がしましょう。
あとはブレーキのつなぎ合わせた箇所からフルードが漏れていないかも確認してください。
くどいようですが、命を預ける箇所なだけに妥協は許されません。
自分の整備技術では難しいと思ったらプロに任せるのが懸命です。
そして、全てが終わり試走をしたら若干タッチが変わりました。
シールが新しくなったので、ピストンの移動量が増えたからでしょう。
何年か変えていないなら、是非ともチェックしておきたい場所ですね。
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