■ 強化クラッチスプリング  ■




先日のパワーチェックの際に、若干クラッチが滑っているとの指摘がありました。

この指摘を受けるまで、私はエンジン関係が全てノーマルならクラッチの変更はしなくても良いと考えていました。



元々NSRはクラッチの許容量が少ないと言われてます。

確かにリミッター付きのノーマルなら45馬力ですが、私の車両はリミッター解除と混合給油で55馬力。

そう考えると、すでにノーマルのクラッチでは対応できない値なのかも知れません。



一応クラッチプレートの曲がりとフリクションプレートの磨耗を確認しましたが、全てマニュアルの許容範囲内でした。

となると、完全にクラッチが弱い事が確認できました。



今まではちょっとした対策として、クラッチスプリングにワッシャーを1枚追加してみたものの、あまり効果は無いように感じましたね。

だからといって、滑り気味な状態でサーキット走行するわけにもいきませんし・・・



あいにく社外製の強化クラッチは販売終了。

唯一、Jhaの後継会社であるRiseOnが取り扱っていますが値段が高く3万8千円!!

さらにはSWIFT社製のクラッチスプリングが6千円!!

なんでしょうこの値段の高さは・・・


そこでさらに調べると、パーツランドMsで扱っている強化クラッチスプリングは5個で1900円!?

急に値段が安くなっています。

しかし、写真を良く見ると何かの車種の純正品のようです。




そこで思いついたのが、以前NSR50でサーキット走行していた際の話です。

同じようにNSR50のノーマルクラッチスプリングは弱いので、強化クラッチスプリングとしてモトクロスレーサーであるCR80のを流用してました。

確かスプリングの長さが若干増え、4本全てCR80用にしたら若干レバーが重くなりましたが、クラッチの繋がりは確実に向上しました。


根拠としても、CR80はベースエンジンがNSR50と同じですし、馬力もNSR50が7馬力に対してCR80が10馬力以上。

明らかにクラッチに掛かる負担はCR80の方が大きいですし、その分しっかりとしたクラッチでないといけません。

そういうこともあり、どこの誰かが流用をして世間一般的になっています。




ここでクラッチスプリングをNSR250Rに流用するポイントは?


お互いの排気量が近い(もしくは上)
エンジン出力は相手が上
同じ2サイクル車両
エンジンの構造が酷似?



といった感じでしょうか。

それを参考に考えてみると、車両の候補は2つ。


CR250R(60馬力)
RS250R(92馬力)



どちらもHRCから出ているレーサー車両の2台に絞られました。



最初に思ったのは、CR250Rだと現時点での馬力が近い為にあまり変わらないのでは?

ですがRS250Rだと遥か上をいく92馬力で、クラッチレバーが硬くなりすぎるのでは?

と解釈しました。



他の問題としてはスプリングの寸法です。

いくら排気量や馬力が違くても、スプリングの形状が異なるだけで使い物になりません。

それで、インターネットを駆使して調べますが一切流用情報は無し・・・

大抵の人がTSR製の強化クラッチや、SWIFT製のクラッチスプリングを使用しているとのこと。

そこでのインプレは、TSRの強化クラッチは消耗が激しい。

SWIFT製のクラッチはレバーが重くならずノーマルと同等とありますが、それってクラッチの圧着力がノーマルと一緒という事では?



しょうがないので私自ら人柱になる決意を固め、注文するスプリングはRS250R用です。

車両はHRCですが、スプリングはホンダ製でした。
(HRC製だと、一般的なホンダのお店で注文は出来ません)

1つ250円なので、5個購入しても1250円とリーズナブル!!

そして部品が手元に届きました。




左がRS250R用で、右がNSR250R用です。

両方とも直径は18mm、線径は2mmと一緒でした。

唯一というかやはりというか、長さはNSRの36mmに対しRSは45mmでその差は9mmです。




実際にクラッチへ合わせてみると、大きくスプリングが飛び出します。




さらに、この状態だとボルトが届かないので軽く押し込みながら締めこみますが、ボルトが斜めに入らないよう注意してください。

そうして5つともRS250R用を取り付けまして、クラッチレバーを握るとやはり重い。
(とは言え大型バイク並みの重さだと思います。)

私はサーキットでしか使用しませんし、シフトアップの際はクラッチを切りません。

なので、そこまで負担にはならないとは思いますが・・・


逆に公道で使用するには重過ぎる気がします。
(握力に自信のある方なら平気だとは思いますが・・・)

勝手な憶測ですが、CR250R用が調度いいかも知れません。



まだ実際に使用していないのでなんとも言えませんが、今後何かしらの形でインプレを行いたいと思います。



ちなみにRS250RとCR250Rの品番も載せておきます。
(こちらも形状長さは、RS250Rと一緒のようです。)

車種 品番 価格 同じスプリングを使用した車種
CR250R(94年以降) 22401-KZ3-690 CR250(94〜05)・CRF450(02〜05)
RS250R(00・01年式) 22401-KA5-740 250円 CR500(84〜89)






■ 追記 ■

NSR250R用のクラッチスプリングには湿式クラッチ用と乾式クラッチ用の2種類が存在します。

スプリング自由長 使用限度 部品番号
湿式クラッチ 38.9mm 38.0mm 22401-KV3-000
乾式クラッチ 36.0mm 35.1mm 22401-KV3-840


以上の観点から、乾式クラッチに湿式クラッチのスプリングを入れるだけで多少強化クラッチになりますね。

それと、RS250R用の45.0mmのスプリングですが、湿式クラッチには+6.0mmなのでそれ程レバーは硬くならないかも知れません。


さらに掲示板にもありますが、TATSUさんによると、CR250RのクラッチスプリングもRS250Rと同じ長さの45.0mmだそうです。

硬さまでは比べないと分かりませんが、ご参考になれば幸いです。






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