■ ステムのO/H ■
ふとした事がきっかけで、両手を離すとハンドルがぶれる事に気がつきました。
60km/h程度で走行すると、ハンドルが徐々に「ブルブル」と暴れだしていきます。
それ以下の速度では起こらず、60km/h近辺で必ず現象が出ます。
そんな訳で、原因を探るべく順番に消去法で見ていくことにしました。
まず最初に簡単なことから確認していきます。
とりあえず、フロント周りを持ち上げてフロントホイールを空転させる。
ただ単に空転させるだけでは、ホイールに曲がりがあるかどうかは判断できないので、
ホイールの脇に定規を当てて空転。
ぶれがあるようなら定規が押し出されます。
ですが、特にホイールに問題はありませんでした・・・
続きましてブレーキディスクもホイールと同じように測定。
こちらも大丈夫なようでした。
次にホイールを支えているシャフトの曲がりを確認。
こちらはある程度の長さのある真っ直ぐな定規を当てて、曲がりを判断します。
こちらもOKでした。
そして次はフロントフォークの歪みを確認します。
その為には外した方が作業しやすいです。
外しました。
こちらもシャフトの時のように、それなりの長さの真っ直ぐな定規を使用します。
本来はV字ブロックに載せてマイクロメータにて測定するのですが、
そんな高い測定器具は持ち合わせていないので定規を使用します。
もし無い場合はフォーク通しを合わせれば大まかには分かります。
大抵フロントフォークが曲がるのはインナーチューブで、
アンダーブラケット(三つ又)のすぐ下の辺りが曲がりやすいです。
(正立フォークの場合です。)
話が前後しますが、もし曲がっていればフロントフォークを外す際に、
トップブリッジやアンダーブラケットに当たってしまい抜けにくいです。
で、インナーチューブに定規を当てて確認するも特に不具合は無し。
そうなると残るはステムのレース類や締め付けトルクの問題でしょう。
いきなりですが、取り払いました。
ここでステムのレース部に段付き磨耗が無いか確認します。
下から覗いたところです。
なにやら変な黒いペイントがありますが、レース自体はOKでした。
アンダーブラケットも同じように確認し、古いグリスを拭き取り新しいグリスを塗ります。
個人的にココのグリスは軟らかいグリスが好きです。
気持ち程度でしょうが、ステアリングは軽い方がいいので。
人によっては、軟らかいグリスだとすぐにグリスが流れ出るといいますが、
自分は定期的に分解しているので大丈夫かと思います。
そして組み上げました。
ステムの取り付けに関しては、マニュアルにトルクが定められていますが、
その車両によりけりなので、ある程度整備士の感や腕も必要です。
なので、ここで細かい説明は省略させていただきます。
全て正常に取り付けてあるのを確認し、緊張の試乗。
60km/h辺りで両手を離すとバッチリOKでした。
何が原因なのかはハッキリとは分かりませんでしたが、
各ボルトを緩める際に異常なほどの高トルクで締まっていたのと、
ホイールを組み付ける際のセンター出しが上手くいっていなかったのと予測します。
これで気持ちよく車両に乗ることが出来ます!!
なお、あくまで今回はフロント回りの分解&組付けで直りましたが、
必ずしも全てが同じような症状が直るとは限りませんので、
あくまで参考としてお考え下さい。
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