■ 腰上(シリンダー・ヘッド)組み付け ■
それでは、外したシリンダ等を組み付けていきましょう。
まずシリンダにRCバルブをつけます。
今回はEリングとオイルシールを新品にしました。
2サイクルオイルを軽く塗布し、組み付けましょう。
なんだかEリングが付いてはいますが、
シャフトに付いているだけで、シリンダには引っかかっていないです。
外すときに固かったのはオイルシールが原因だったのかな?
そうしたらオイルシールを打ち込みます。
悪い見本ですが、ソケットを使います。
軽く叩いて入れましょう。
入りました。
そしたら、スムーズにバルブが動くか確認しましょう。
大丈夫そうです。
もし駄目でも新品のオイルシールなので、直ぐに取れるでしょう。
次は、ピストンを準備します。
先に片方のサークリップを付けましょう。
自分はクラッチ側から全て作業するので、写真の箇所に付けます。
サークリップを端から、少しずつ指で押してあげればすんなり入ります。
全て入ったら、確実に溝に入っているかを確認してください。
そうしましたらピストンリングを付けてしまいます。
注意するのは、リングには上下向きがあるのと、
トップ・セカンドリングと、付けるリングも専用です。
マニュアルを見てもらえれば分かると思いますが、もし間違って組みつけても、
セカンドリングは付いてしまうので気をつけてください。
ちなみにMC21には、エキスパンダはありません。
ここまで終わったら、後は車体側で作業にかかります。
まず、組み付ける前にクランクの隙間を測定しておきましょう。
クランクは、納車時に新品に交換しているので特に問題もなくOKでした。
各部に2サイクルオイルを塗布しながら組み付けましょう。
ピストンの向きだけ気をつけ、サークリップをクランクに落とさないよう注意します。
シリンダの内壁にもオイルを塗布しておきます。
そうしたら、ガスケットの向きとノックピンを忘れずに入れます。
ピストンリングの合口に切りかきを上手く合わせて、手で縮めてシリンダをつけます。
このとき、無理やり入れず軽く入れましょう。
正確に付けられれば、すんなり入ります。
この時、ナットを仮付けしておきます。
同じようにフロントバンクも作業します。
上下のシリンダが仮に付け終わったら、軽くキックスタータを手で押し下げます。
この時に、スムーズに動くのを確認してください。
シリンダの余分なオイルが出てきますので拭き取ります。
最終的なナットの締め付けはヘッドと同時に行うので、後にします。
ヘッドを取り付けます。
ガスケットを付けますが、「EXUP」を上にします。
後は突起があるので、それをシリンダとガスケットを合わせます。
そうしたらヘッドを乗せます。
ナットを仮付けして、再度キックスタートを手でゆっくり押し下げてスムーズか確認します。
OKでしたら最終的な締め付けを行います。
確実にトルクレンチを使用してください!!
対角に締めていき、いきなり規定トルクをかけず2〜3回に分けながらゆっくり締め付けます。
でないと、シリンダやヘッドが歪んで圧縮漏れを起こします。
あとはRCバルブを元に戻します。
調整方法は次の工程で行います。
この後は冷却水のホースを忘れずに取り付け、チャンバーなどを戻します。
その後キャブやタンク等付け、最後に冷却水を入れます。
最初はオイルがシリンダに沢山残っているので、始動しにくいですが、根気よくキックしましょう。
始動したら、アイドリングを調整したり排気漏れや冷却水が漏れていないか確認します。
いきなり乗ってしまわず、しばらくアイドリングで放置して慣らしをしましょう。
その後少しづつ回転数を上げてあげます。
あとはのんびりと街中を乗ってあげましょう。
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